2019年10月29日 東京都新宿区神楽坂 音楽の友ホール
当日は午前中から肌寒い雨降りのお天気でした。神楽坂駅に着いたのは17時頃、休日には観光客の溢れる活気ある商店街ですが、この日も駅の出口を登るとアコーディオンの陽気な音色が迎えてくれました。
音楽之友社は戦前から続く、音楽関係の書籍、楽譜の出版社です。本社地下には演奏ホールが構えられていて、日々クラシック音楽を中心にコンサートが行われています。こちらはアレヴィ氏もこよなく愛するピアノ、ベーゼンドルファーのインペリアルモデルを所蔵していることから、今回のコンサート会場に選ばれました。
演奏が始まる前に、アレヴィ 氏のご紹介として、幼少期にピアノを初めて弾いた時のお話がありました。
音楽家のご両親は自宅のピアノをおもちゃにしないよう鍵をかけましたが、どうしても弾いてみたくて家中を探して鍵を見つけだしたとのこと。こっそり一人で練習を続けていたけれど、ついに小学校の文化祭でステージ脇のピアノを弾いてしまい、ご両親に露見。大目玉を喰らうかと思いきや、頭を撫でて褒めてもらい、すぐさま音楽院への入学手続きが取られたそうです。
お話に続いて演奏が始まりました。いつものようにアレヴィ氏は曲のタイトルをひとこと告げ、すぐに演奏に入ります。
パンフレットには一曲ごとの解説がありました。これはアレヴィ氏がイタリアのコンサートで演奏をする時に「気持ちを集中させるために」少しだけお話をされる内容を、日本語に訳したものです。この日本語訳は日本盤『LOVE』や『HIS BEST』のライナーノーツにも一部書かれています。また、イタリアで発売されている『Allevilive』(2007 Bollettino Edizioni Musicali Srl)には、演奏前のアレヴィ氏のコメントも明瞭に録音されているので、ご興味のある方はお手に取られてみてください。
演奏内容は同時発売の『LOVE』日本盤を意識した構成となっていたように思います。3曲目〜12曲目(本投稿文末のリスト中「 * 」印の曲)までが同アルバムより抜粋され、「Loving you」で始まり「JAPAN」で締めくくられました。プログラムの中に『LOVE』による構成を挟み込んだ形です。特に日本盤限定で新たに録音された「JAPAN」は、今回特別の思い入れを持って演奏をされたようです。
この後、13曲目「Vento d’Europa」で一気に欧州の雰囲気に戻ります。「Go with the flow」は言わずと知れたイタリアでの有名曲、「Born to fly」は目の疾患から立ち直った決意の表明、「Qui danza」でテンションを張り上げ、「Il bacio」であらん限りの愛を送り、「Prendimi」での華やかなフィナーレ。難解なこの曲もこの日は鮮やかに弾きこなされました。
アンコールでは「Aria」の一言がアレヴィ氏の口から出ると会場からため息が漏れました。やはりこの曲はみなさん楽しみにされているようですね。そして最後は、ここ数年の定番「Te Deum」での締めくくりとなりました。陽気であっさりとしたこの曲を最後に演奏するのは、コンサートの終わりに寂しさを感じさせないようにと気遣う、アレヴィ氏の優しさでしょうか。
全ての演奏が終わると、誰からともなく立ち上がり、満場のスタンディング・オベーション。東京公演には2012年から毎年参加していますが、初めて見たように思います。今回は緊急決定した公演であることもあり、ホールがそれほど大きくなかったことが幸いしたかと思います。観客とアレヴィ氏の気持ちが一つになったのを感じました。今回の東京公演は、本当にプレミアムな公演となりました。
終幕後はいつものようにサイン会がありました。アレヴィ氏はいつものように、分け隔てなくにこやかな笑顔でサインと愛情を振舞ってくれます。会場でも販売されていた『LOVE』日本盤には、会場特典でジャケットサイズのステッカーのプレゼントもありました。さて、何に使いましょうかね、これ ♪
GIOVANNI ALLEVI JAPAN TOUR 2019 “Love” in Tokyo
日程: | 2019年10月29日[火] |
時間: | 19:00 開演(18:30 開場) |
会場: | 音楽の友ホール(東京) |
主催: | ヤマハミュージックコミュニケーションズ |
協力: | Bizart |
- Back to life
- No more tears
- Loving you*
- The other side of me*
- Asian eyes*
- Asteroid 111561*
- Came with me*
- Yuzen*
- It doesn’t work*
- La stanza dei giochi*
- My family*
- Japan*
- Vento d’Europa
- Go with the flow
- Born to fly
- Qui danza
- Il bacio
- Prendimi
- Aria
- Te Deum
(19、20曲目はアンコール曲となります)
本公演に際しまして、Facebook内に東京公演事務局のアカウントを開設しました。次回公演のご案内についてはこちらからの発信が中心となる予定です。Facebookをご利用のみなさま、どうぞご利用くださいませ。