新型ウイルス感染の広がるイタリアのアレヴィ氏より

新型コロナウイルスの感染拡大が深刻なイタリアを本拠地とするアレヴィ氏が、Facebookなどを通して長文のコメントを発表されました。

カトリック教徒向けの情報誌「Avvenire」に全文が引用されていますので、大まかな和訳をご紹介させていただきます。

Come in un concerto diamo il meglio di noi

Giovanni Allevi sabato 21 marzo 2020

La testimonianza e la speranza di un popolare musicista e compositore

Facebookページより

(以下、メッセージの大まかな和訳です。誤訳があった場合はご指摘いただけるとありがたいです)

私は感染を恐れていません。しかし、劇場が閉鎖になり、コンサートを一晩延期しなければならなくなった瞬間の暗い気持ちを、私は隠すことができません。 音楽家として、私は将来の暗闇を見ました。 私はいつも夢想家で、恐れ知らずだった。 私は下を見ずに、命綱のない綱渡りを続けてきた。「プランB」を確保することは考えたことがなかった。しかし私は、音楽が無くなったらどうしたらいいのでしょうか?

私の唯一の頼りは人々の愛情だけで、私はなんの準備もなくそこに自分自身を投じてきました。 でも今、誰もがまさに不安のどん底にいます。もしかしたら、数週間前のミュンヘンでのコンサートが、私の最後の公演となったかもしれない。私のように、自分の仕事や愛する人を失うことを恐れている人はどれくらいいるでしょうか。そして私もその悲しみを世界に訴える権利のある、最前線のひとりです。

一方で、私はいつも不安の中で生きてきて、それを自分の骨肉としてきました。私は将来について確信を持ったことがありません。私は最も繊細で予測不可能な音楽という芸術を通して、その状態を受け入れることを学びました。私はベートーベンの英雄的な精神で人生に直面したいと思っています。彼はこのように言いました。「私は運命の喉元を締め上げてやる。私は決して運命に支配されることはない」

私はあることに気が付きました。確かなことは、ウイルスへの恐怖は私達を人質にすることはないということです。私たちは目に見えない敵と戦っているわけではありません。私たちはそれが何であるかを知っています。科学者や研究者が決定的な解決策を開発するまで、私たちは無限の忍耐力で防疫に努めるでしょう。不安と苦痛に苛まれながらも、新たな可能性を感じることができるでしょう。

感動の連鎖が私たちを包み込み、不要なものはすべて消え去ります。シンプルな身振り手振りが再発見され, 隣人とは距離を取りながらおしゃべりをし、医師や看護師は新たな英雄となります。ウェブは恐怖を和らげ、人々の距離を縮め、気持ちを親密に感じるようになり、貴重な科学知識を共有する機会となりました。

今や、これまで以上に、個人の善が社会全体の善へとつながっています。ソクラテスの格言のように、私はそれを感じています。災厄の渦中においても、人類は最善を尽くしていくでしょう。

Facebookページより